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養育費はいつまでもらえる(払う)?

未成年のお子様がいる家庭の場合、離婚時には父母のいずれか一方を単独親権者と決めなくてはならず、親権者となった親は、もう一方の親に対して養育費を請求することができます。

 

養育費とは、子どもを監護するために必要な費用を指します。たしかに、離婚後に子どもを育てるのは親権者であり、非親権者は自身の手によっては子どもを監護しませんが、非親権者となったとしても法律上親子であることに変わりなく、実子に対する扶養義務を免れることはできません。そこで、非親権者は親権者に子どもの養育費を支払う義務が生じることになります。

 

しかし、非親権者が養育費の支払いに応じたからといって、全て安心できるわけでありません。

そもそも、養育費とはいつまで支払うものなのでしょうか。

 

現行法では、養育費を支払う/支払いを受けるべき年齢についての規定は存在しないため、親同士の協議により支払期間を決することが可能です。養育費は経済的にも社会的にも未成熟な子どもが自立するまでに要する費用とされているため、原則として、生計を立てられるようになる20歳=成人が基準とされています。

裁判所においても、基本的に成人を終期とした支払いが命じられることが多いです。

 

ただし、成人というのはあくまでの目安であって、養育費の支払いは年齢を基準とするのではなく、経済的・社会的自立状況を主軸とした総合考慮で期間を決定します。成人未満であっても、既に就職して自身で生計を立てている場合には、もはや親に子どもの生活保持義務は生じないといえるため、養育費の支払いは必要ないと判断されることがあります。

 

一方で、成人以上であっても、大学生や大学院生といった学生の身である・障害を負っているなどして、いまだ自立しているとは評価できない場合には、養育費の支払いは継続しなくてはならないことになり得ます。

 

また、親権者の再婚が養育費の支払いの終了事由になってしまうのではないか、といったご不安を抱える方も多くいらっしゃいますが、親権者が再婚したとしても、非親権者と子どもが法的に親子であることに変わりないため、扶養義務も継続し、養育費の支払義務がなくなることはありません。

 

しかし、再婚相手と子どもが養子縁組をするのであれば、養親となった再婚相手にも子どもの扶養義務が生じます。

そうなると、再婚後の環境・財政状況なども考慮した上で、実親より養親の方がより強い扶養義務を負うと判断され、非親権者である実親は養育費を支払うことを要しないとされる可能性があります。

 

一方で、養育費の支払義務者である非親権者が再婚し、家庭を持った場合は、その再婚によっても実子との親子関係は消滅しないため、やはり支払義務は存続します。ただ、再婚すれば(再婚後に子どもが生まれたのであればなおさら)新しい家族の扶養義務が生じるため、従来通りの額面の養育費を支払うことは難しくなります。

したがって、養育費の支払は継続するものの、その金額が減額される場合があることにも注意しましょう。

 

養育費は、お子様のための制度です。ご不明点などございましたら、一度弁護士までお問い合わせください。

 

弁護士 益谷元也(王子総合法律事務所)は、東京都北区、埼玉県川口市(王子駅、赤羽駅、川口駅周辺)を中心に、東京都、埼玉県南部・東部にお住いの皆様から、相続、離婚、企業法務、一般民事・家事事件にかかるご相談を承っております。

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弁護士益谷 元也(ますたに げんや)

私は東京・城北地方や埼玉・南部を中心に、相続、離婚、法人案件のご相談を承っています。

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所属団体
  • 第二東京弁護士会
  • 仲裁センター運営委員会所属
経歴
  • 2003年:早稲田大学附属本条高等学院卒業
  • 2007年:早稲田大学法学部卒業
  • 2010年:北海道大学法科大学院卒業
  • 2011年:司法試験合格(65期)
  • 2013年:弁護士登録

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