01
遺産相続手続きの期限はいつまで?
■被相続人の死亡後3か月以内に行うもの
被相続人の死亡後3か月以内に行うべき手続きとしては、①遺言書の検認、②相続人・相続財産調査、③相続放棄・限定承認があります。
①遺言書の検認
被相続人が自筆証書遺言を作成していた場合、遺言書を家庭裁判所に提出し、検認手続きを申立てます。
検認を行う前に遺言書を開封してしまうと、過料が発生する場合もあるため注意が必要です。
②相続人・相続財産調査
遺言書のない場合、相続人は親族関係によって決まります。親族関係を調査するにあたっては、被相続人の最後の戸籍謄本を取得し、そこからひとつ前の戸籍謄本を取得し、これを繰り返すことによって出生から死亡までの全ての戸籍謄本を集めます。
遺言書がある場合、遺言書に記載された人が相続人となります。
相続財産調査では、被相続人の有していた正の財産・負の財産の全てを把握します。
正の財産には、銀行預金、土地や建物、車、有価証券等があります。負の財産には、借金等の金銭債務があります。
③相続放棄・限定承認
相続人には、単純承認・相続放棄・限定承認という3種類の選択肢があります。
単純承認とは、遺産を通常通り取得することをいいます。相続放棄は、相続人としての地位を放棄し、一切の相続を拒否することをいいます。限定承認は、相続により取得した正の財産額の限度内において、負の財産を引き継ぐことをいいます。
相続放棄や限定承認を行う場合には、被相続人の死亡を知ってから3か月以内に家庭裁判所に申立てを行わなければなりません。
この期限を過ぎた場合、単純承認したものとして扱われます。
①遺言書の確認や②相続人・相続財産調査には期限はありませんが、これらを行わないと③相続放棄・限定承認をするか否かの判断ができません。したがって、3か月以内という期限を見据えて計画的に進めていく必要があります。
■被相続人の死亡後4か月以内に行うもの
被相続人に確定申告義務がある場合、相続人が被相続人に代わって確定申告を行わなければなりません。
これを準確定申告といいます。準確定申告の期限は、被相続人の死亡を知ってから4か月以内に行わなければなりません。
■被相続人の死亡後10か月以内に行うもの
10か月以内に行うべき手続きとしては、①遺産分割協議、②相続税申告・納税があります。
①遺産分割協議
遺言書による遺産分割方法の指定がない場合、相続財産は共同相続人全員による共有状態となります。
しかし、共有状態では財産の自由な利用・処分がしづらいため、通常は話し合いによって相続財産を分割します。
例えば、土地はAが相続し、銀行預金はBとCで半分ずつ相続するといった合意をします。これを遺産分割協議といいます。
遺産分割協議は、相続人全員の話し合いと合意によって成立します。遺産分割協議が成立したら、合意内容を書面にまとめ、日付を記載し、相続人全員の署名押印を添えて、遺産分割協議書を作成します。
②相続税申告・納税
相続により取得した財産額が控除額を超える場合には、相続税が発生します。相続税が発生するときは、被相続人の死亡を知った時から10か月以内に相続税の申告と納付を行わなければなりません。
期限に遅れると利子税が発生するため、早めの対応を心がけましょう。
なお、①遺産分割協議に期限はありませんが、②相続税申告・納税に10か月以内の期限が設けられているため、①遺産分割協議も10か月以内を目安に完了させることをおすすめします。
02
当事務所が提供する基礎知識
-
離婚時の親権の決...
離婚時には、お金のことだけでなく、子どもについても争うことになります。特に、親権をどちらかが持つのかについて争うケースは少なくありません。しかし、一般的には、育児において母親の役割が大きいとされ、母親が親権を持つことにな […]
-
離婚調停の流れは...
離婚の方式には、協議離婚、調停離婚、審判離婚、裁判離婚の4つがあります。本記事では、調停離婚の流れについて解説します。 調停離婚とは?調停離婚とは、夫婦の間における協議では離婚の合意が成立しない場合に、裁判所 […]
-
遺言書の種類につ...
■遺言書とは遺言書とは、自分の死後に行われる相続に関して、生きている間に意思表示をしておくものです。遺言書を残しておくと、自分の死後相続が発生した際にその遺言の効力が生じ、自分の意思表示が相続に反映されることになります。 […]
-
モラハラなどによ...
離婚に際し、夫婦の一方がモラハラをしてきたことに対する慰謝料を請求したい、というご相談をいただくことがあります。慰謝料とは、離婚の原因や離婚の原因となった行為によって被った、精神的苦痛に対する損害賠償のことを指し、離婚に […]
-
離婚を考えた時に...
■離婚原因の整理と証拠収集日本では、離婚のほとんどが当事者の合意によって成立します。しかし、相手方が離婚に合意しない場合には、裁判所の判決による離婚を目指すことになります。そして、裁判離婚が認められるためには、民法上の離 […]
-
契約書のリーガル...
契約書のリーガルチェックとは法的な視点で契約書をチェックし、違法な内容が記されていないか、また自社にとって不利益が生じる内容がないかなどを確認することです。リーガルチェックを自身もしくは自社内で対応する際は、法的知識とい […]
03
よく検索されるキーワード
04
弁護士紹介
弁護士益谷 元也(ますたに げんや)
私は東京・城北地方や埼玉・南部を中心に、相続、離婚、法人案件のご相談を承っています。
弁護士に相談をすることは、敷居が高いと思っている方も多いですが、当事務所は初回相談を無料で承っておりますので、1人で悩みを抱えず、お気軽にご相談ください。 どうぞ、よろしくお願いいたします。
- 所属団体
- 第二東京弁護士会
- 仲裁センター運営委員会所属
- 経歴
- 2003年:早稲田大学附属本条高等学院卒業
- 2007年:早稲田大学法学部卒業
- 2010年:北海道大学法科大学院卒業
- 2011年:司法試験合格(65期)
- 2013年:弁護士登録
05
事務所概要
事務所名 | 王子総合法律事務所 |
---|---|
弁護士 | 益谷 元也(ますたに げんや) |
所在地 | 〒114-0022 東京都北区王子本町1-24-3アバンスビル2階 |
TEL/FAX | TEL:03-5948-9041 / FAX:03-5948-9042 |
営業時間 | 10:00~19:00(時間外の対応については応相談) |
定休日 | 土日祝日 |
アクセス | 王子駅(京浜東北線,南北線,都電荒川線)徒歩3分 |