01
相続放棄ができないのはどんなケース?対処法はある?
遺産相続はプラスの財産だけでなく、マイナスの財産も相続する必要が生じます。
被相続人(亡くなった方)に多くの借金があるケースなど、マイナスの財産の方が多い場合、相続人は相続放棄の選択が可能です。
しかし、一部相続放棄が認められないケースが存在します。
本稿では相続放棄が認められないケースについて解説していきましょう。
相続放棄が認められない3つのケース
相続放棄は家庭裁判所に申し立てを行い、審査の上認められます。
家庭裁判所で相続放棄が認められない主なケースとしては、以下の3つが考えられます。
- 熟慮期間を経過した
- 単純承認と見做された
- 書類に不備がある
それぞれのケースについて解説していきましょう。
3ヵ月の熟慮期間が経過してしまった場合
相続放棄をする場合、一定の期間内に申し立てを行う必要があります。
一定の期間というのは、自身に相続すべき財産があることを知ってから3ヵ月以内です。
3ヵ月を経過してしまうと相続放棄できない可能性が高まりますので、できるだけ早く決断しましょう。
民法第921条における単純承認と見做される行為
単純承認とは、相続人が、法定相続人としての権利義務を無限定に(プラスの財産もマイナスの財産も)承継することを承認することです(民法第920条)。
そして、民法第921条では、単純承認をしたと見なされる行為が指定されており、同上に掲げられた行為を行うことで「単純承認」をしたと見なされます。
- 被相続人の預貯金の解約や払い戻しを行った
- 経済的価値のある遺品を持ち帰った
- 被相続人名義の不動産の名義変更をした
- 被相続人名義の不動産のリフォームを行った
- 遺産分割協議に参加した
上記のような行為が確認できた場合は、その時点で単純承認を選択したと見なされ、相続放棄はできなくなってしまいます。
申請書類に不備があった場合
これは当然ですが、申請書類に不備があった場合も、相続放棄は認められません。
相続放棄を申し立てるのに必要な主な書類は以下の通りです。
- 申述書
- 被相続人の住民票除票または戸籍附票
- 相続放棄する相続人本人の戸籍謄本
- 被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本
上記の書類に加えて印紙や切手、事例によっては別の書類が必要になるケースもあります。書類に不備がある場合は、裁判所から指摘を受けて追加資料の提出を要求されます。
まとめ
相続放棄は家庭裁判所に申し立てを行い、審査の結果認められる必要があります。
基本的には審査で落ちることは少なく、しっかりと準備して申し立てをすれば、相続放棄ができると考えていいでしょう。
相続放棄ができない主なケースは3つありますので、これらのケースに該当していないか確認しておきましょう。
熟慮期間の延長もしくは起算点を後ろにずらすことも可能ですが、そのためには法的知識が必要です。
相続に関しては早い段階で弁護士に相談し、滞りなく手続が進むようにすることがおすすめです。
02
当事務所が提供する基礎知識
-
契約書のリーガル...
契約書のリーガルチェックとは法的な視点で契約書をチェックし、違法な内容が記されていないか、また自社にとって不利益が生じる内容がないかなどを確認することです。リーガルチェックを自身もしくは自社内で対応する際は、法的知識とい […]
-
契約書で確認する...
「取引先から法改正に合わせた契約書の修正を求められている。どのような点を修正すればよいのだろうか。」「契約書は取引先に提示されたものを使用しているが、確認しておいた方が良いと聞いた。どのような部分に注意するべきだろうか。 […]
-
パワハラ防止法に...
近年、社会問題としてハラスメントの話題がメディアでも多くあがり、耳にする機会も増えています。パワーハラスメント(通称パワハラ)もハラスメントの1つであり、情報化社会となっている現代においては、パワハラ対策をしっかりと行う […]
-
離婚調停費用はど...
離婚には、協議離婚、調停離婚、裁判離婚の3種類があります。このうち、調停離婚についてはあまり耳馴染みがなく、高額の費用が必要になるのではと不安に思われる方も多いのではないでしょうか。今回は、調停離婚とはなにか、離婚調停に […]
-
夫や妻が婚姻費用...
■婚姻費用とは婚姻費用とは、夫婦や未成熟の子の生活費などの婚姻生活を維持するために必要な一切の費用のことをいいます。婚姻費用に含まれるものとしては、食費や光熱費といった生活費や家賃、養育費、医療費、交際費などがあります。 […]
-
養育費はいつまで...
未成年のお子様がいる家庭の場合、離婚時には父母のいずれか一方を単独親権者と決めなくてはならず、親権者となった親は、もう一方の親に対して養育費を請求することができます。 養育費とは、子どもを監護するために必要な費 […]
03
よく検索されるキーワード
04
弁護士紹介
弁護士益谷 元也(ますたに げんや)
私は東京・城北地方や埼玉・南部を中心に、相続、離婚、法人案件のご相談を承っています。
弁護士に相談をすることは、敷居が高いと思っている方も多いですが、当事務所は初回相談を無料で承っておりますので、1人で悩みを抱えず、お気軽にご相談ください。 どうぞ、よろしくお願いいたします。
- 所属団体
- 第二東京弁護士会
- 仲裁センター運営委員会所属
- 経歴
- 2003年:早稲田大学附属本条高等学院卒業
- 2007年:早稲田大学法学部卒業
- 2010年:北海道大学法科大学院卒業
- 2011年:司法試験合格(65期)
- 2013年:弁護士登録
05
事務所概要
事務所名 | 王子総合法律事務所 |
---|---|
弁護士 | 益谷 元也(ますたに げんや) |
所在地 | 〒114-0022 東京都北区王子本町1-24-3アバンスビル2階 |
TEL/FAX | TEL:03-5948-9041 / FAX:03-5948-9042 |
営業時間 | 10:00~19:00(時間外の対応については応相談) |
定休日 | 土日祝日 |
アクセス | 王子駅(京浜東北線,南北線,都電荒川線)徒歩3分 |