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相続の寄与分で起こりやすいトラブルとは?対処法も併せて解説
相続において、特定の相続人が財産の維持や増加に特別な貢献をした場合に主張できる「寄与分」ですが、その寄与分を巡るトラブルが発生するケースは少なくありません。
どのような場面でトラブルが起きやすく、またその際にどう対処すればよいのでしょうか。
この記事では、寄与分を巡るトラブルと対処法について解説します。
寄与分とは?
寄与分は、被相続人の財産の維持や増加に特別な貢献をした相続人に認められる権利です。
たとえば、以下のような場合が該当します。
- 仕事を辞めて被相続人の介護を行った
- 被相続人の事業を無償で手伝った
- 資金援助を行い、財産の維持や増加に貢献した
ただし、寄与分が認められるためには、被相続人と相続人の身分関係(夫婦や親)から通常期待される程度を超える行為であることが重要なポイントです。
相続の寄与分で起こるトラブルの例
相続の寄与分に関するトラブルは、他の相続人が寄与分の主張を認めなかったり、寄与分の金額や割合に不満を持ったりすることで起こります。
たとえば、介護を担当していた長女が寄与分を主張したものの、他の兄弟が「介護は家族なら当然の務め」として認めなかったケースがあります。
このようなトラブルは、家庭裁判所での調停に発展することも少なくありません。
寄与分を巡るトラブルを防ぐためのポイント
寄与分を巡るトラブルを未然に防ぐためには、遺言書を作成することや貢献内容の記録を残しておくことが有効です。
遺言書を作成しておく
被相続人が寄与分について明確に遺言書に記載しておくことで、トラブルの発生を防げます。
時間の経過とともに、状況が変わることもあるため、遺言書は定期的に見直すことが重要です。
貢献内容の記録を残しておく
寄与分を巡るトラブルを防ぐためには、貢献内容(介護や事業の手伝い)を記録しておくことが効果的です。
寄与分についての主張の裏付けになり、他の相続人や専門家を説得することにつながる場合があります。
貢献内容に関わるメモや領収書、写真、振込明細などを保管しておくと良いです。
寄与分を巡るトラブルが起きたときの対処法
寄与分を巡るトラブルが起きたときの対処法は、以下です。
- 家庭裁判所の調停を利用する
- 弁護士に相談する
家庭裁判所の調停を利用する
話し合いで解決しない場合は、家庭裁判所の調停を申し立てることができます。
中立的な第三者が介入することで、公正な解決が期待できます。
弁護士に相談する
相続問題に詳しい弁護士に相談するのが有効です。
弁護士は、寄与分の主張に必要な証拠の整理や、法的根拠に基づいた寄与分の算定をサポートしてくれます。
まとめ
今回は、寄与分の基本やトラブルの防ぎ方、対処法について解説しました。
寄与分は相続において主張できる正当な権利ですが、他の相続人との意見の対立によってトラブルが発生するケースも少なくありません。
トラブルを防ぐためには、遺言書の作成や貢献内容の記録を残しておくことが有効です。
もし話し合いで解決できない場合は、弁護士に相談することを検討してみてください。
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弁護士紹介
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弁護士益谷 元也(ますたに げんや)
私は東京・城北地方や埼玉・南部を中心に、相続、離婚、法人案件のご相談を承っています。
弁護士に相談をすることは、敷居が高いと思っている方も多いですが、当事務所は初回相談を無料で承っておりますので、1人で悩みを抱えず、お気軽にご相談ください。 どうぞ、よろしくお願いいたします。
- 所属団体
- 第二東京弁護士会
- 仲裁センター運営委員会所属
- 経歴
- 2003年:早稲田大学附属本条高等学院卒業
- 2007年:早稲田大学法学部卒業
- 2010年:北海道大学法科大学院卒業
- 2011年:司法試験合格(65期)
- 2013年:弁護士登録
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事務所概要
Office Overview
事務所名 | 王子総合法律事務所 |
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弁護士 | 益谷 元也(ますたに げんや) |
所在地 | 〒114-0022 東京都北区王子本町1-24-3アバンスビル2階 |
TEL/FAX | TEL:03-5948-9041 / FAX:03-5948-9042 |
営業時間 | 10:00~19:00(時間外の対応については応相談) |
定休日 | 土日祝日 |
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